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本校の教育

学校長挨拶               校長 吉川 幸男

 「なぜ、このような所に附属があるのですか」
本校を訪問していただいた皆さん、とりわけ遠方から来られた方々の多くが、このような問いを発せられます。問いの背景には次のようなことがあります。
(1)全国に200数十校ある国立大学附属学校の中で、学校の校長室やグラウンドから間近に海が見渡せる「臨海附属」はここだけであること
(2)国立公園内の景勝地にあり、保養施設ならともかく教育研究校としての附属の立地としては異色であること
(3)瀬戸内海に突き出した室積半島の先端にあり、訪問者の多い附属にしては交通の便がよさそうに見えないこと

一見奇異にみえる本校の立地には、江戸時代中期以降の歴史的経緯が深く関わっています。道路や鉄道という陸上交通中心の現在からみれば不便に見えるこの地も、海運が中心だった時代には交通の要衝でした。長州藩はこの地に「撫育方」という公社を設立し、港を整備して回船の寄港地とし、藩内の年貢米や特産物品を売りさばいて大きな利益を得ていました。この地には多くの蔵が建ち、藩の内外から商人が集まり、大いに栄えました。後の討幕運動の経済的基盤をつくった地でもあります。

明治になってここに近代国家の末端としての郡の役所が置かれ、次に近代工業化を担うべく山口県立工業学校が置かれ、さらに大正時代には県内の教員の不足に対応すべく室積師範学校、女子師範学校が置かれ、その附属学校が併設されたのが本校の起源となります。つまり江戸中期以降一貫してこの地は、時代に向き合い、その時代が求める「人」「組織」「経済」を生み出し続けてきた活動の場に他ならないのです。

このような「土地の伝統」は本校の教育活動の底流として流れています。時代が求めるものを読み、実際的な場での実践性を重んじ、独創的な文化を協働で生み出してゆく活動こそ、本校が大切に育んできたものです。このことは本校生徒の教育だけではなく、教員養成学部の附属学校として学生の教育実習や地域の若手教員の研修でも同じです。この地にある附属学校としてこれからも特色ある教育を通し、教員養成・教員資質向上に貢献したいと考えています。附属学校がこの地にある意味を背景として、本校の教育活動によろしくご理解ご支援を賜りますようお願い申し上げます。


方針

目標イメージ

本校の教育方針を語る場合、まず設置主旨に関わる2つの前提があります。
(1)山口県に所在する国立の学校であること
このため、日本国憲法、教育基本法の精神に立ち、国の学習指導要領に基づきながら、山口県教育の基本目標を視野に入れた中等普通教育を行います。
(2)教員養成・教員研修の設置目的をもつ附属学校であること
このため、山口大学教育学部の理念・目的に即し、質の高い教員養成のための教育実習、地域の教員の資質向上に資するための教育実践研究を行います。

以上2つの前提をもとに、本校は以下のような教育的価値の創造を日々希求します。
(1)地域や生活に根ざした学びと実践
地域の実際や生活の中で考え、判断できる生徒を育てる。
(2)共同での学びと参画
仲間と共に学び合い、共に高め合える生徒集団を育てる。
(3)今日的な学力像に立った学びの探求
自ら課題を発見し、自ら考え続ける知の探求者たる生徒を育てる。


主な年間行事

日時 内容
 7月 研究発表大会
 9月 附中祭(文化部門・広場部門・体育部門)
11月 オープンスクール
 1月  入学者選抜試験

information

山口大学教育学部附属光中学校

〒743-0007
山口県光市室積8−4−1
TEL.0833-78-0007
FAX.0833-75-1509